きのこ生産には欠かせない菌床ですが、使い終わった廃菌床は産業廃棄物であり農家にとっては邪魔なものです。
今回はその廃菌床の再利用方法をまとめてみました。
<目次>
- 再利用せずに処分
- 肥料化をして再利用
- 抽出をして再利用
- 昆虫マット化をして再利用
再利用せずに処分
多くのきのこ農家が廃菌床を再利用せず処分しているのが現状です。処分ができる広大な土地のある農家には負担が少ないですが、都心部などのきのこ農家では、近くの農家に肥料として一部の廃菌床を引き取ってもらっているところもあります。
しかしそれだけで全てを捌くことはできないため、お金を出して処分業者に依頼しているきのこ農家が多いのが現状です。
再利用して有効活用どころか処分にお金もかかってしまうのは、環境にもお財布にも良くないというのが大きなデメリットです。
肥料化をして再利用
ここからは再利用法を紹介します。
廃菌床にはきのこの栽培後も豊富に栄養が含まれています。そのため、細かく砕き肥料に混ぜることで、その栄養を有効活用した肥料として再利用できます。
また、自社で肥料化して販売することも可能ですが、大きな装置の導入が必要になるため、資金と生産のための広いスペース、そして販路を見つけることが必要になります。
抽出をして再利用
現在まだ研究段階ですが、廃菌床を熱水を使って抽出した液体をイネに散布することで、イネいもち病の発病抑制に繋がるのではないかという研究が鳥取大学で行われています。
これが実現すれば、農薬に頼らない自然由来の成分で、お米を育てることにも繋がり、廃菌床の可能性を広げる再利用方法なのではないでしょうか。
以下URLは公開されている資料になります。
https://shingi.jst.go.jp/pdf/2020/2020_tottori-u_5.pdf
昆虫マット化をして再利用
廃菌床を砕いて発酵させ加工することで、昆虫の幼虫を育てる昆虫マット(栄養土)を作ることができます。廃菌床にはカブトムシやクワガタなどの幼虫を大きくする栄養が含まれており、非常に効率的な再利用ができます。
これには多くの廃菌床を再利用できます。また生産したマットを販売するだけでなく、カブトムシやクワガタなどの飼育に使用し成虫を販売できれば、きのこ販売以外での大きな収入源となります。
昆虫マットの生産には、廃菌床の水分量や発酵具合の見極めなどの難しい技術も必要になりますが、繰り返しの練習と技術習得で次第に昆虫マットの質を高めることができます。
まとめ
廃菌床の再利用などの有効活用はSDGsを含め、環境へ配慮した社会を実現する上でも今とても注目されています
ただ処分するゴミとして扱うのではなく、そこから価値を生み出すことができれば、将来に渡ってそれは大きな資産になります。
TOMUSHIでは昆虫マットの生産方法から幼虫の育て方まで、専門の技術指導者が担当として丁寧に解説し、全て1人で行えるレベルまでしっかりと伴走させていただきます。
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大木バイオクリエーションズ株式会社
E-mail:sitecomtko@gmail.com